助産師資格を取得する方法
助産師資格を取得するには「看護師資格と助産師資格を同時にとる」方法と「看護師資格を取得したうえで、助産師資格をとる」方法の2種類があります。
いずれにしても、看護師資格を取得しないと助産師にはなれません。そのうえで保健師助産師看護師法に定められている学科を修了すると、助産師国家試験の受験資格を得ることができます。
看護師資格と助産師資格を同時にとる
- 助産師コースが設置された看護大学に入学
- 学内選抜試験に合格
- 助産師コースで学び、卒業年度に看護師・助産師国家試験を受験
- 合格、卒業
- 助産師へ
助産課程を設けている看護大学に入学し、無事助産師コースに進むことができれば、4年次に助産師養成過程の単位を取得することで、同年度の看護師国家試験と助産師国家試験を受験することができます。まだ看護師資格をとっていない方にとって、最短で助産師を目指すことができるスタイルです。
2つの学校に通う必要がないので、入学金などの費用も比較的安く抑えられるというメリットもあります。
ただ、助産師コースは希望者全てが進学できるわけではありません。選抜切符を手に入れられるのはほんの一握りという、非常に狭き門です。選抜人数は、一学年で5~10名前後と少人数のところがほとんどで、選抜試験に合格するには常にトップクラスの成績でいることが求められます。
看護師資格を取得したうえで、助産師資格をとる
- 看護大学、もしくは専門学校を修了
- 看護師国家試験に合格後、看護師資格を取得・卒業
- 文部科学大臣の指定した学校か、厚生労働大臣の指定した助産師養成所に入学
- もしくは看護大学の助産師コース、助産育成課程がある大学院に編入
- 1年~2年(学校により異なります)かけて、助産課程を修了
- 助産師国家試験を受験
- 合格、卒業
- 助産師へ
既に看護師資格を取得している方であれば最短1年、最長でも2年の課程を修了すれば助産師国家試験の受験資格が得られます。
進学先は大学の専攻科(別科)、大学院、短期大学の専攻科、助産師養成所(助産師専門学校)のいずれか。毎年の募集人数は5~40名と様々ですが、共通してあまり多くはありません。
また、助産師養成所は全国に34ヶ所のみ(※)と少ないため、受験者は各受入れ先に集中する傾向にあります。
※平成25年8月調べ
助産師学校(養成所)の倍率は?
非常に高いといわれる、助産師学校(養成所)入試の倍率。はたしてどれほど難しいのでしょう?
そもそも助産師資格取得までの過程において、この「助産師学校に入学する(大学の助産師コースに進学する)」までが最も難しいといえます。
たとえば日本医師会のデータを見てみると、平成25年度の助産師学校(養成所)の受験倍率は約3倍。国公立の学校など、すべて含めて見ると10倍近い倍率のところも多く、入学自体のハードルが非常に高いことがわかります。
受験する学校(養成所)は一つに絞るのではなく、いくつか併願したうえで受験に臨むと良いでしょう。
働きながら通学できる?
助産師学校(養成所)の開講時間は、基本的に昼間。そのため、働きながらの通学は難しいでしょう。受験までの費用や学費、学生期間の生活費などの必要経費を考え、計画的にプランを立てた上で、資格取得にチャレンジしましょう。
【ワンポイント】助産師支援制度の存在
働きながらの通学は難しいですが、病院によっては助産師支援制度が設けられているところも。この制度をうまく活用すれば、職場に籍を置きながらの通学が可能な場合があります。自分の職場に支援制度があるか、調べてみると良いでしょう。
某大学病院
- 支援内容
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助産師学校(養成所)通学期間における下記の支援
- 通学期間は出張扱いとなり、毎月給与支給有(各種手当てを除いた額が支給されます)
- 条件
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- 同病院で数年間の勤務経験有
- 卒業後、同病院で助産師としての勤務の約束
某総合病院
- 支援内容
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助産師学校(養成所)通学期間における下記の支援
- 月々10万円の奨学金貸与(無利息)
- 休職制度利用可
- 条件
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- 卒業後、同病院で助産師としての勤務の約束(通学期間の5倍の期間、連続勤務した場合は、奨学金の返還が免除される)
某産婦人科専門病院
- 支援内容
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- 病院が経営している助産師学校への推薦
- 条件
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- 同病院で2年以上の勤務経験有
- 推薦合格後の入学辞退不可
- 卒業後、同病院にて2年以上の勤務