最終更新日 2018/01/23

GI療法

GI療法とは・・・

GI療法(じーあいりょうほう/グルコースインスリン療法)とは、インスリンとブドウ糖を同時に投与して血液中のカリウム濃度を下げる、高カリウム血症の治療法である。

高カリウム血症は、血液中のカリウム濃度が高くなった状態(通常5mEq/Lを超える場合)を指す。特に6.5mEq/L以上では、重篤な不整脈を引き起こし致死的になることがありカリウム濃度を下げる必要がある。

インスリンは、血中のブドウ糖とカリウムを同時に細胞内に取り込んで、血糖値を下げる。GI療法はこの性質を利用した治療法である。インスリンのみを投与すると低血糖になるためグルコースを補う。

投与方法は、静脈注射か点滴注射で、内容は施設によって異なることが多い。治療中は血糖測定を行い、低血糖症状(動悸、発汗、振戦、意識障害など)に注意が必要である。また心電図波形を観察(高カリウム血症ではP波の消失、QRS幅の延長、テント状T波、低カリウム血症ではST低下、T波の平定化、U波の増高など)、カリウム変動に伴う症状(高カリウム血症では脱力感、四肢のしびれ、低カリウム血症では四肢緊張の低下、全身倦怠感、周期性四肢麻痺)の出現に注意が必要である。特に腎機能の低下している患者ではインスリンの分解が遅いため、低血糖が遷延する場合がある。

執筆: 勝呂俊昭

菊名記念病院 総合診療科医長

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