最終更新日 2018/01/09

便秘

便秘とは・・・

便秘(べんぴ、constipation)とは、排便回数の減少、排便の困難さ、硬便、不完全な排便の感覚などを呈する症状のことである。

便秘は、学会などでさまざまな基準があるが、一般的に、排便回数が1週間に3回未満と定義されることが多い。また、排便困難などの症状が6カ月前から出現し、少なくとも3カ月以上にわたり、その症状が認められる場合に、慢性便秘と定義される。

便秘はその発生機序から、大腸の働きの異常による機能性便秘と大腸の器質的な異常による器質性便秘に分けられる。

【機能性便秘】
機能性便秘は、食事性便秘、直腸性(習慣性)便秘、弛緩性便秘、痙攣性便秘に分類される。
■食事性便秘
食物繊維の少ない偏った食事が原因で起こる。
■直腸性(習慣性)便秘
排便刺激を無視することで、直腸の感受性が低下し、直腸内に便が溜まっても便意が起きなくなることで発症する。
■弛緩性便秘
体質や栄養不足などが原因で大腸の運動や緊張が低下することで便の通過が遅延し、水分が吸収されることで硬便となり、便秘に至る。
■痙攣性便秘
副交感神経の過緊張により、腸管が痙攣性に収縮し、便の移送が妨げられることで生じる。ストレスや下剤の連用などが原因となる。これらの機能性便秘は、食生活の改善や排便習慣の確立などの生活習慣の指導、緩下剤や腸管運動機能調整薬などの薬物療法により改善を目指す。

【器質性便秘】
器質性便秘は、腸の通過障害(腫瘍、癒着、炎症、潰瘍など)もしくは腸管以外の器質的疾患により、物理的に通過障害が起こった場合に起こる便秘のことを呼ぶ。改善には原疾患の治療が不可欠となる。

執筆: 大久保祐希

兵庫県立尼崎総合医療センター ER総合診療科フェロー

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