最終更新日 2019/09/02

傾眠

傾眠とは・・・

傾眠(けいみん)とは、意識障害(意識混濁)の程度の一つである。周囲からの刺激があれば覚醒するが、すぐに意識が混濁する状態を指す。
場所と時間が分からなくなったり(見当識傷害)、直前の出来事の記憶がないことがある。自発的に動くことが少なく、ベッドに寝たきりの生活になりやすい。食事は口に入れると自ら咀嚼し、嚥下できるできることもある。

昏蒙(こんもう:大声で呼ぶとやっと返事をする状態)と近い意識レベルの状態である。傾眠よりも意識レベルが低下すると嗜眠、昏眠、昏睡となる。

意識障害の分類の定義はあいまいなものが多いため、現在ではジャパンコーマスケール(Japan Coma Scale;JCS)やグラスゴーコーマスケール(Glasgow Coma Scale;GCS)といった評価方法を用いるのが一般的である。

 

引用参考文献
1)高橋昭.意識障害と痴呆:診断と治療の進歩.日本内科学会雑誌.79(4),1990,425-429.
 2)高劔宏.救急医学講座(3)救急医療における意識障害のみかた.北里医学.10,1980, 378-384.
3)柳本広二.意識障害の成因と神経系脱分極現象.洛和会病院医学雑誌.25,2014,23-38.
4)卯野木健ほか.Richmond Agitation-Sedation Scale日本語版の作成.日本集中治療医学会雑誌.17,2010,73-74.
5)岩崎 靖.主訴別の患者の診かた(8) 意識障害のある患者の診かた.medicina.46(1),2009,193-198.

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