最終更新日 2018/02/06

創傷

創傷とは・・・

創傷(そうしょう、wound)とは、皮膚・皮下組織などの開放性もしくは表在性の損傷などを含めた全ての損傷のことである。

狭義では「創」は開放性損傷を指し、皮膚の連続性が断たれた状態である。また、「傷」は非開放性損傷を指し、皮膚の連続性が維持された状態である。

【分類】
創傷の受傷機転や形態により下記のように大きく分けられる。
■切創
ナイフや包丁などの鋭器による開放性損傷で、皮膚が分断状に損傷され、創縁は直線状である。まっすぐに切れた傷にあり、組織欠損はない。
■割創
重量のある鈍器により、強い衝撃が体表に加わり皮膚が分断された開放性損傷である。創縁は直線状で、名前の通り割れたような創になるが、組織欠損はない。
■刺創
刺器、つまり刃物や釘、木片などのようなもので刺された創であり、創口が小さい割に、深部の組織まで及ぶことが多い。通常、組織欠損はない。
■裂創
鈍的外力、つまり強い牽引力や圧迫によって、皮膚が過度に伸展されたときに、引き裂かれた創である。創縁は不規則・不整なことが多く、挫創と区別がつきにくく、組織欠損はない。
■挫創(挫滅創、挫傷)
鈍的外力による圧挫が原因で発生する開放性損傷となったものが挫創であり、皮膚には損傷なく、深部の組織が非開放性に損傷されたものが挫傷である。また、挫創の中でも、高度な組織損傷を伴う場合は挫滅創と表現される。基本的には組織欠損はないが、挫滅が強く深部組織の壊死などを起こすと、二次的に組織欠損を生じる。
■剝皮創
鈍器などによる牽引外力、剪断力(回転するタイヤなど)によって、皮膚・皮下組織が筋組織から剥脱された創である。皮下血流が損傷され、皮膚皮下組織の遅発性壊死を起こすことが少なくない。
■擦過創
摩擦などの外力による皮膚表層の損傷である。組織欠損はなく、治癒は速やかに行われることが多い。

執筆: 金谷裕司

自治医科大学 整形外科助教

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