最終更新日 2019/02/19

頻脈

頻脈とは・・・

頻脈(ひんみゃく、tachycardia)とは、脈拍数が100/分以上と定義される。まずは不安定か安定かの判断をすることが何より重要となる。

■不安定な頻脈
動悸、胸痛、呼吸困難、意識障害失神などの症状を呈し得る。低血圧、ショック徴候、急性心不全といった徴候を認める場合には、不安定な頻脈と判断する。不安定な頻脈性不整脈であれば、電気的除細動を考慮する。
頻脈が原因で症状が出現するときは、一般的には脈拍数が150/分以上の頻脈性不整脈であることが多い。頻脈性不整脈の中には心房細動、心房粗動、上室性頻拍、心室頻拍、心室細動などが含まれる。

■安定な頻脈
安定であると判断した場合には心電図評価、および洞性頻脈と鑑別が必要となる。
安定な頻脈性不整脈の診断には、心電図上QRS幅が重要である。広い幅のQRS波(≧0.12秒)であれば、心室頻拍を念頭に循環器専門医への相談を考慮する。狭い幅のQRS波(<0.12秒)であれば、心房細動、心房粗動、上室性頻拍などが考えられ、まずは迷走神経刺激や薬物療法(アデノシンなど)で治療が行われる。

執筆: 松岡由典

京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野

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