最終更新日 2018/02/06

麻痺

麻痺とは・・・

麻痺(まひ、paralysis)とは、中枢神経や末梢神経が障害され、部分的な運動機能や温痛感覚が喪失あるいは低下した状態のことである。

一般的に「麻痺」というと、運動麻痺のことを頭に浮かべることが多い。そもそも意志によって行われる運動は随意運動と言われるが、この運動が障害された状態が麻痺である。

【分類】
その程度により、完全に機能が喪失したものを完全麻痺、一部の機能が低下したものを不全麻痺に分類される。他にも、下記のように麻痺の部位によっても分類される。
・片(かた・へん)麻痺:一側の上下肢に生じた麻痺。
・対(つい)麻痺:両側上肢または下肢に対称的に生じた麻痺。

【障害部位と症状】
随意運動は、大皮質運動野から錐体路(すいたいろ)と呼ばれる経路を経て、脳神経運動脊髄前角細胞を介して、末梢神経により筋骨格へ刺激が伝達されて運動が成立する。このときに障害部位が錐体路よりも上位か下位かで症状が変わってくる。
・痙性(けいせい)麻痺:上位障害によって、筋緊張の亢進、深部腱反射(膝蓋腱反射など)の亢進がみられる麻痺。
・弛緩性(しかんせい)麻痺:下位障害によって、筋緊張の低下、深部腱反射の低下・消失がみられる麻痺。
これらの特徴をつかんで、診察すると、画像検査などを行わなくても、ある程度障害部位を推定することができるようになる。

執筆: 金谷裕司

自治医科大学 整形外科助教

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