最終更新日 2018/04/26

C型肝炎

C型肝炎とは・・・

C型肝炎(しーがたかんえん、hepatitis C)はC型肝炎ウイルス(HCV)が血液を介して肝臓に感染し、炎症を引き起こす疾患の総称である。

【疫学】
C型肝炎は急性肝炎と慢性肝炎に分けられ、約70%の患者が慢性肝炎に至る。C型肝炎は成人の初感染からでも容易に慢性化し、ウイルス性肝炎の中で最も慢性化しやすいとされている。通常、成人の血液・体液感染による初感染では急性肝炎を発症することが多い。

【症状】
急性C型肝炎は比較的まれであるが、他の急性肝炎と同様に全身倦怠感、食思不振、悪心・嘔吐、発熱、黄疸、肝腫大などの症状が見られる。血液検査ではAST、ALT、ビリルビン上昇やプロトロンビン時間(PT)延長などを認める。
慢性C型肝炎は多くは感染しても自覚症状のない不顕性感染である。検診などで偶発的に見つかることが多い。30~40%の患者が20年ほどの経過で肝硬変に移行する。

【診断】
C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べる検査として、HCV抗体検査がある。HCV抗体陽性であれば、一度はC型肝炎ウイルスに感染したことを意味するため、次にHCV-RNAを測定し、血中にC型肝炎ウイルスがいるかどうかを調べる。HCV-RNAが陽性の場合、現在C型肝炎ウイルスに感染していることを意味する。HCV-RNA量や遺伝子型などを調べることで治療効果予測を立てることができる。

【治療】
慢性C型肝炎の治療は以前よりインターフェロンを基本とした治療が主となっていた。インターフェロンを基本とした治療はリバビリンなどを合わせることで、治療効果を高めていたが、副作用の問題や耐性株の問題などが指摘されていた。それに対して最近、内服のみでインターフェロンを使用しない治療が開発され、95%以上の患者でウイルスを体内から排除することが可能になってきている。ただし現在のところ、慢性肝炎と初期の肝硬変にしか治療適応がなく、進行した患者には使用できないこととなっている。

執筆: 大久保祐希

兵庫県立尼崎総合医療センター ER総合診療科フェロー

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