最終更新日 2018/07/25

高血圧

高血圧とは・・・

血圧(こうけつあつ、hypertension)とは、正常範囲を超えて血圧が高く維持されている状態のことである。脳卒中心筋梗塞などのさまざまな重篤な疾患のリスクとなる。高血圧は、遺伝因子や環境因子が関与して発症するとされ明らかな原因が不明の本態性高血圧と、原因が明らかな二次性高血圧の2つに分類される。

本態性高血圧
一般に、高血圧の多くはこの本態性高血圧症である。

二次性高血圧
二次性高血圧症は治療すれば完治する。

【症状】
高血圧自体に自覚症状は伴わないことが多いが、著明な高値が意識障害や呼吸困難を引き起こすことがある。これは高血圧緊急症と呼ばれ、命に関わる疾患である。

【検査・診断】
高血圧の定義は、時代とともに変化していることに注意する。現在、日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン」では、成人の高血圧は「収縮期血圧140mmHg以上かつ/または拡張期血圧90mmHg以上」とされている。また、家庭血圧値の場合は、「収縮期血圧135mmHg以上かつ/または拡張期血圧85mmHg以上」とされている。なお、2017年に米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)は130/80mmHg以上を高血圧と定義すると発表した。昨今は家庭血圧(家庭で測定した血圧)の重要性が指摘されている。

血圧はその時の条件によって大きく異なる。患者の血圧を測定する際、その場の気温、昼夜、姿勢、食事など、患者の置かれた状態やタイミングによって検査値は変動するため、高血圧の診断を行うには注意が必要である。

【治療】
高血圧の治療目標は、患者の基礎疾患(糖尿病脳梗塞の有無)や年齢によっても異なるため、必ずしも、140/90mHg以下(または130/80mmHg以下)で良いというわけではない。

治療はまず、運動や食事などの生活習慣の改善を行い、血圧を正常値まで引き下げるように努める。それでも高血圧が改善しない場合や、基礎疾患に応じて降圧薬を処方する。
 

執筆: 小森大輝

順天堂大学大学院医学研究科 総合診療科学大学院生

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