最終更新日 2023/11/28

帝王切開

帝王切開とは・・・

帝王切開(ていおうせっかい、caesarean section)とは、経膣分娩と異なり、外科的に子宮を切開し、児を娩出する方法である。

 

【適応】
帝王切開には、あらかじめ日時を決めて行う予定帝王切開と、母児の状態悪化や経膣分娩が難しい場合などに行われる緊急帝王切開がある。
帝王切開は母体にとっては侵襲的であり、術後合併症などを考慮すると経膣分娩に比べて合併症リスクが高い。母体が手術に耐えられる全身状態であること、経膣分娩の方が母児に対してリスクが高いと考えられることが前提条件である。

 

(1)予定帝王切開
主な母体適応:前回帝王切開既往、子宮手術既往、児頭骨盤不均衡、前置胎盤、内科的合併症、感染症など
主な胎児適応:胎位異常、多胎妊娠、巨大児、前置血管など

 

(2)緊急帝王切開
主な母体適応:分娩遷延/停止、重症妊娠高血圧症候群、常位胎盤早期剥離、子宮破裂、妊婦心肺停止など
主な胎児適応:胎児機能不全、臍帯下垂/脱出、前置血管破綻など

 

【どのような方法か】
脊椎麻酔あるいは硬膜外麻酔あるいはその併用で行うことが多い。全身麻酔は使用する麻酔薬や筋弛緩薬の多くが胎児へ移行するため一般的ではない。しかし、胎児の状況で分娩までの時間をできるだけ短くしたい場合や、母体が大量出血をしているような場合は全身麻酔を選択することもある.

 

術式はほとんどが腹式深部帝王切開、すなわち開腹し子宮峡部を横切開する方法である。児が極めて小さい場合や3胎以上の多胎の場合などは縦切開(古典的帝王切開)が行われるが、次回妊娠時に子宮破裂を引き起こすリスクがやや高いとされている。

帝王切開を表したイラスト(縦切開、横切開)

【引用・参考文献】
1)綾部琢哉ほか編.標準産婦人科学 第5版.医学書院,2021,p697.

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